PS5はなぜSSDの性能に重きをおくのか?
PlayStation 5(PS5)のリードシステムアーキテクトであるマーク・サーニー氏は技術解説動画『Road to PS5』にてSSDに関して執拗に解説しています。
PS5はマイクロソフトのXbox Series Xと比較して、CPUとGPUの性能は一歩劣りますが、SSDの読み込み速度に関してはPS5が5.5GB/sでXbox Series Xが2.4GB/sと大きく差をつけています。
このPS5の5.5GB/sで読み込むSSDをPS4の50~100MB/sで読み込むHDDと比較すると、PS4は1GBを20秒かけて読み込むのに対して、PS5は2GBを0.27秒で読み込むことができるのです。
同じアーキテクチャを採用し似通っているように思われるPS5とXbox Series Xですが、このようにそれぞれの設計思想はまるで異なっています。
PCでもゲーム機でも性能と言われればやはりCPUやGPUが気になりますが、なぜPS5はSSDの性能に重きをおいたのでしょうか?
今までのゲームでは以下のようにロードをするために小道を用意したりエレベーターに乗せたりという工夫をしていました。オープンワールドのゲームでは読み込み速度以上のスピードで動けないように制限されていました。
これはPS4などのゲーム機だけではなく、PCでも同様です。どれだけお金をかけてPCのスペックを上げてもPCユーザーにはHDDを使っているユーザーがいて、そのユーザーを無視することはできないので、マップ作りなどで制限を受けることになってしまいます。
そこでPS5はPCやXbox Series Xなどと差別化するためにSSDの性能に重きをおいたのです。
Unreal Engine 5の実機デモにてPS5が採用されている理由もそこにあり、Unreal Engine 5を開発しているEpic GamesのCEOであるTim Sweeney氏はIGNのインタビューで以下のようにコメントしています。
ソニーのストレージアーキテクチャは「現在購入できるPCの最強のSSD」よりもはるかに優れている。「コンソールがハイエンドPCの市場を牽引するのは本当にエキサイティングな光景ですね」
PS5のSSDは「ハイエンドPCよりもはるかに優れている」とEpic CEOがコメント
では、そのSSDを利用してどのようなゲームが作れるようになるのかというのはPS5向けのタイトルである『ラチェット&クランク: リフトアパート』のPVを見るとわかるのではないでしょうか。
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PVでは次元間の切れ目から惑星から惑星へと瞬時に移動しているのが見て取れます。このようにロード画面やロード用の小道を使わず瞬時に移動し、ユーザーを待たせないゲームを作るにはSSDの性能が重要になってくるのです。